THCMは、結論から言うと透明性が全くない物質なので色々な意味で危険と言えます。
理由は以下の通りです。
THCMは、アメリカの半合成カンナビノイド系商品を積極的に取り扱うことで有名な”binoid”というメーカーが最近発売した商品に記載されている物質(?)です。
binoidのウェブサイトによると、THCMは現在市場に存在する自然に存在するカンナビノイドや反合成カンナビノイドとは異なり、臨床的にはカンナビノイドではないとされています。また、THCMは自然のカンナビスには含まれない物質であり、これまでに人工的に生成される試みもされてきましたが、成功例は無い様です。THCMは1997年に発見された大麻を吸って吐いた煙に含まれる副産物であると言われています(自然に存在するカンナビノイドと主張するウェブサイトも有り)
binoidによるTHCMの解説ページでは、THCMは11-ノル-Δ9-テトラヒドロカンナビノール-9-カルボン酸(※以後11-COOH-THC)であるとの記載があったので、今回はこの11-COOH-THCについて解説していきます。
※『THCはTHCメチルエーテル(THC-MeO)の略である』という記事も発見しましたが、THC-MeOという物質の存在を確認できなかった為、無視します。
『binoid』はTHCMを含有する商品を販売しています。これに対して正直疑問がありますが、そもそもこの商品に含まれている成分が11-COOH-THCなのかすら不明です。
◆11-COOH-THCとは?
11-COOH-THCは、THCの主要活性代謝物である11-ヒドロキシ-Δ9-テトラヒドロカンナビノール(11-OH-Δ9-THC)が肝酵素(CYP2C, MALDO)によって酸化されることにより体内で生成されます。
11-COOH-THCは、体内での半減期が数日〜数週間と長く、大麻使用の血液または尿検査で検査される主な代謝物となります。より精密な検査では、11-OH-THCと11-COOH-THCを区別することができ、それを元に大麻がどれくらい最近消費されたかを判断する事が可能です。
11-ノル-Δ9-テトラヒドロカンナビノール-9-カルボン酸のみが存在する場合はTHCが少し前に使用されたことを表します。一方、11-ヒドロキシ-テトラヒドロカンナビノールが多く検出された場合は大麻はより最近消費されたことを表します。
◆11-COOH-THCの効果
11-COOH-THCはそれ自体には精神作用はありませんが、大麻の効能である鎮痛・抗炎症作用に関与している可能性があります。また、THC自体の作用を和らげることが示されており、大麻を常用者と非常用者との間に見られる主観的効果の違いの要因となっている可能性があります。
これまでに登場してきたTHCHやTHCB、THCPなどとは異なり、THCMは精神作用が無いということなので、”HIGH”を求めるストナーにとっては価値の無い物質と言えるでしょう。
◆まとめ
◉THCMはそもそも本当に存在する物質なのか不明
◉サイトによって言っていることが全く違う
◉binoidがTHCMが含まれるとされる商品を販売している
◉精神作用が無い
◉カンナビノイドでは無い
◉11-COOH-THCと同一の成分
◉取り扱うべきではない物質