
HHC-Pはヘキサヒドロカンナビフォロール(Hexahydrocannabiphorol)の略で、THCの誘導体であるTHC-Pと非常によく似ています。
そして、通常のHHCやHHC-Oアセテートよりもはるかに強力な作用があります。
こちらの記事ではHHC-Pとは何かを解説していきますが、そもそもHHCやHHC-Oを知らない方も多いので、先にHHCとHHC-Oの解説を簡単にしていきます。
◆HHCとは?
HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は2021年からアメリカのΔ9-THCが違法な州を中心に、日本を含む世界中で流行し始めた半合成カンナビノイドで、Δ 9- THC と多くの類似した効果を持っています。HHCには痛みの緩和/抗不安/幸福感などの効果が有りますが、副作用として不安/めまい/口の渇き/食欲増進/不眠症/パラノイア/心拍数の増加/目の充血などがあります。陶酔効果の強さとしては、Δ8-THCとΔ9-THCの中間と言われています。
HHCは1940年代に化学者のRoger Adamsによって発見されました。HHCは自然界のカンナビスにもごく僅かに含まれますが、そのことから現在市場で出回っているHHCは基本THC分子に2つの水素原子を添加し、その物理的特性を変化させることで生成されています。
HHCは実験室でこの水素添加プロセスを用いて変換されるのが最も一般的で、通常は水素に加えパラジウムなどの金属触媒を使用します。
水素添加はΔ9-THCの構造を変更し、安定性と熱酸化分解に対する抵抗力を向上させます。つまり、HHCは保存期間が長く紫外線や熱によるダメージを受けにくいということになります。
HHCは日本では2021年末からHHCが流通し始めましたが、残念ながら2022年3月にそれは規制されました。
ちなみにHHCには非常に多くの種類が存在し、確認できただけでも10種類を超えています。
【例】
- HHC (Hexahydrocannabinol)
- 7-OH-HHC (7-hydroxyhexahydrocannabinol)
- 7-9α-OH-HHC (7-oxo-9α-hydroxyhexahydrocannabinol)
- 8-OH-iso-HHC (8-hydroxy-iso-hexahydrocannabinol)
- 9α-OH-HHC (9α-hydroxyhexahydrocannabinol)
- 10α-OH-HHC (10α-hydroxyhexahydrocannabinol)
- 10α-ROH-HHC (10aR-hydroxyhexahydrocannabinol)
◆HHC-Oとは?

HHCに酢酸塩が付加されアセチル化されるとHHC-Oアセテートというプロドラッグになります。 HHC-Oは酢酸塩が加わることで血液脳関門を通過しやすくなり、Δ9-THCと同等の陶酔効果を得ることができます。 私たちの体の代謝には、酢酸を切断する酵素があり、HHCをCB1受容体で容易に利用できるようにするのです。 Δ9-THCとHHC/HHC-Oは、体内のカンナビノイドシステム(ECS)で同じように処理されるため、似たような効果が得られます。
HHC-Oは、HHCのプロドラッグ版であるため、優れた薬効があります。 HHC は通常、気化後すぐに効果を感じることができるが、HHC-O は効果を感じるまでに 15 ~ 30 分かかります。 HHC-Oは高いバイオアベイラビリティのために HHC 単体よりも強く、HHC-O を他のカンナビノイドと混合すると、さらに効果を強化することがで可能です。 またTHC-Oと同様に粘度が低く非常にスムーズな吸引が可能であり、エディブルにも適しています。
◆HHC-Pとは?
HHC-PはΔ9- THC-Pと多くの親和性を持ち、どちらも7つの炭素で構成される炭素尾部を持っています。 この長い尾部によって、他のカンナビノイドよりもはるかに強くCB1受容体に結合することができます。 その効果は非常に強力ではありますが、フルアゴニストではないと考えられています。 Δ 9- THC-Pは、Delta 9 THCの約33倍の強さでCB1に結合すると推定されていますが、これは33倍の強さであるという意味ではありません。 しかし、体感としてTHC-PがΔ9-THCよりも強力なことは変わりません。そして、これはHHC-Pにも同じことが言えます。
◆HHC-Pは薬物検査に引っかかるのか?

結論から言えば、大麻の陽性反応が出る可能性は非常に高いと言えます。 なぜなら、すべてのTHCベースのカンナビノイドは、THC-COOHと呼ばれる酵素によって代謝され、標準的な薬物検査では尿からその物質が検出されれば陽性となってしまうからです。
“THCは体内に摂取された後、代謝され、THC代謝物 (THC-COOH-glu)として尿中に排泄されることが知ら れており、使用の立証には、THC代謝物のTHC-COOHを 定量する。一般的にTHC摂取後1週間程度、検査可能な 量が尿中に排泄されるが、常習者においては、3ヶ月を 超えて検出される例があることが知られている。”
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000957909.pdf より引用
その事から、人によってはHHC-Pやその他のカンナビノイドをする際は注意が必要です。また、警察による取調べなどでそれを指摘された場合はその事をしっかりと説明しましょう。
◆HHC-Pは安全か?
HHC-Pは大麻やTHCと同様に精神活性を持ち、めまい、口の渇き、無気力などの副作用が現れる可能性があるので、それを踏まえた上で使用しましょう。また、HHC-Pは研究が不十分なため、使用する際には健康的な注意を払う必要があります。
※HHC-PはΔ9-THCよりも強力であると言われている事から、大麻経験者でも注意が必要です。
◆まとめ
◉HHC-P(ヘキサヒドロカンナビフォロール)はTHCPに似た物質
◉HHCやHHC-Oアセテートよりもはるかに強力かつ効きが長い
◉大麻の陽性反応が出る可能性は非常に高い
◉日本でも現時点(2023年9月9日)では合法
◉THCなどと同じように、医療的な効果も注目されている