CBGAがCBCA(カンナビクロムカルボン酸)に変換され、さらに熱や紫外線にさらされると最終的にCBC(カンナビクロメン)に変換されます。CBCは50 年以上前に発見されました。
◆CBCの効果
CBCは非麻酔性であるため、THCのような多幸感や高揚感は得られません。その理由は、脳内のカンナビノイド受容体であるCB1との結合が弱いためです。しかしCBCは、体内の他の受容体、例えば痛みの知覚に関係するバニロイド受容体1(TRPV1)や一過性受容体電位アンキリン1(TRPA1)等と結合することができます。CBCがこれらの受容体を活性化すると、アナンダミドのような体内のエンドカンナビノイドのレベルが増加します。
また、CBCによって緩和される可能性がある病状には以下の様なものがあります。
●癌
CBCは強力な抗がん剤となる可能性があります。マウスで腫瘍の成長を開始させた最近の研究(2段階マウス皮膚発がんモデル)では、CBCが炎症と腫瘍成長の両方を抑制するのに有効である可能性が示されました。
THCはいくつかの異なる形態のがんに対する抗腫瘍効果で知られていますが、その強力な向精神性のために、化学療法の使用が困難な場合があります。一方、CBCはTHCの様な向精神性を持たない且つがん細胞の成長を抑制する効果が2番目に高いカンナビノイドであることが分かっています(CBGは最も強力)
但し、人間においての効能はまだ十分ではない事から、更なる研究が必要とされています。
●痛みと炎症
CBCは、コラーゲン誘発性変形性関節症に伴う痛みと炎症をブロックすることが確認されています。CBCのようなカンナビノイドは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは異なる方法で炎症に作用し、これらの薬物のような副作用もありません。また、CBCとTHCの併用は、最近の動物実験で顕著な抗炎症効果を示した様です。
●脳細胞
2013年のマウス実験では、CBCは健康な脳機能に不可欠な細胞である神経幹前駆細胞(NSPC)に対してポジティブな効果を示しました。NSPCは、CBCの存在下でより生存力が高まり、脳の恒常性を維持するために最も重要な細胞であるアストログリア細胞に分化するため、これは有望な結果と言えます。アストログリア細胞は、神経伝達物質の指令や酸化ストレスに対する防御など、あらゆる機能を担っています。アストログリアは、神経疾患やアルツハイマー病などの脳の病態を生み出す、酸化ストレス、炎症、毒性といった問題の多くに対抗しています。
●にきび
以前にCBDのニキビへの効果を示した研究チームは、CBCを含む他のカンナビノイドについても同じ効果があるかどうかを研究しました。その結果、CBCはニキビを強力に抑制することが示されました。皮膚病であるニキビは、過剰な皮脂分泌と皮脂腺の炎症が特徴です。CBCは強力な抗炎症作用を示すとともに、皮脂腺での過剰な脂質の産生を抑制することが判明しました。また、CBCは、脂質生成に必要なアラキドン酸のレベルも低下させました。
●うつ病
CBCはTHCとCBDと連動して、より強力な抗うつ作用を発揮するようです。CBCの治療上の有望性は大きく、他のカンナビノイドとアントラージュ効果を発揮すると見込まれています。
しかしまだ研究が不十分では無いので、さらなる研究が必要とのことです。
◆CBCの購入方法
CBCは基本的に単体で販売されることはないため、CBCが配合された商品を購入する必要があります。
◆まとめ
◉大麻に含まれるマイナーカンナビノイド
◉陶酔作用はない
◉副作用は非常に少ない
◉医療効果が注目されている
◉オイルやベイプリキッド、エディブルなどで摂取可能
◉日本でも所持・使用が認められている