THCO若しくはTHCOa(テトラヒドロカンナビノール・アセテート)は自然界には存在せず、Δ8,9-THCまたはTHCAのアセチル化によって発生する物質です。※アセチル化とは、水素基がアセチル基(CH3C=O)に置換される化学反応です。
THCOは1949年から1975年にかけてメリーランド州のエッジウッド工廠の施設でTHCOが実験に使われました。
◆THCOとTHCの違い
THCとTHCOは異なる分子構造を持っています。また、THCOの陶酔効果はΔ9-THCの3倍と言われています。
◆THCOの効果
THCOはTHCと同様に強力な陶酔作用に加え、痛み緩和、睡眠改善、不安改善、食欲増進などの効能を持っていると言われています。
◆THCOは合法か?
日本国内において、THCOはHHCOと並びに2023年3月20日から指定薬物に指定されました。
◆THCOは安全か?
THC-Oをテストするための適格な基準規格と方法を持つ検証済みの研究所はまだアメリカ国内に1つもない事から安全性のテストが殆どされておらず、安全か有害であるかは現時点では断言ができません。つまり、安全だという補償は無いという事になります。
アメリカではカンナビス製品を扱う大手、Binoidやその他のメーカーが以前からTHCO製品の販売を続けており、短期的には健康被害は報告は殆どされていないものの、長期的に使用すれば被害を被ることになるでしょう。理由は以下の通りです。
前述した様に、THC-OはTHCを無水酢酸と合わせて加熱し、アセチル化することにより生成されます。つまりTHC-Oは酢酸フェニルを部分構造として有していることになります。酢酸フェニルは加熱するとケテンとフェノールに分解されることから、THC-Oを加熱し気化することでケテンが発生すると言われています。
実際にとある大学の研究結果によると、THC-OやCBN-O,CBD-Oを加熱した際にケテンが発生した様です(ケテンの生成量はTHC-O : CBD-O : CBN-O=1:13:3.6であった)
多少THC-Oを吸引して健康被害が出ることは考えにくいですが、長期間多くのTHC-Oを吸引するのは危険かと思います。さらに、THC-Oの製造プロセスには無水酢酸のような有害な化学物質も使用されるという事は確かなので、製造工程で厳しい管理が必要になると言えます。
◆まとめ
◉THCをアセチル化して生成される半合成カンナビノイド
◉Δ9THCの3倍程度の強さを持ち、作用時間も比較的長いと言われる
◉Δ9THCと同様に医療的な効能もあると言われている
◉令和5年3月20日から指定薬物に