CBDとはカンナビジオール(Cannabidiol)の略で、大麻草に含まれる100種類以上のカンナビノイド(Cannabinoid)のうちの1つです。
CBDはカンナビス中における含有率が高く、THCと並んで知名度が高いとカンナビノイドと言えます。
通常、大麻にはCBDが20~25%程度、THCが25~30%程度含まれています(インディカ種はサティバ種と比較してCBD含有量が低い傾向があります)
また、CBDに関しては他のカンナビノイドと比較して研究が進んでおり、多くの効能が認められています。
◆CBDの効果は?
私たち人間を含め、脊柱動物は体内でエンドカンナビノイド(Endocannabinoid)=内因性カンナビノイドというカンナビノイドに酷似した物質を生成しています。そしてそのエンドカンナビノイドは、生物の身体の全体的な調子を整える働きを担っており、それをECS(エンドカンナビノイドシステム)と呼びます。
このエンドカンナビノイドの生成は、ストレスや栄養障害など、様々なネガティヴな要因によって妨げられることがあり、その様な状態をカンナビノイド欠乏症と言います。
そこで、それをサポートしてくれるのがCBDなどのカンナビノイドであり、それによって人体は様々な恩恵を受けることが可能です。例えば、以下のような効果が研究により示唆されています。
● 不安と鬱を緩和
●特定のてんかん症候群の治療
●PTSD症状の軽減
●オピオイド中毒の治療
●ALS症状の緩和
●痛みの緩和
●糖尿病合併症の緩和
●神経疾患からの保護
● 炎症の抑制
●睡眠の質の向上
●薬物依存症の治療
●パーキンソン病の治療
◆CBDは本当に効くのか?
CBDを試したが、「効かない」「効果を感じない」そういった経験をしたことがある人は非常に多いかと思います。その理由としては、エンドカンナビノイドシステムが正常に機能している人は効果を体感し難いからです。
また、『効果がある=(大麻の様な)陶酔作用』と誤解をしている人がとても多いですが、CBDには強力な陶酔作用はありませんので、そのような効果を期待している人には体感がないと言えるでしょう。
CBDの効果を感じ易いのは身体や精神に何らかの疾患がある方や年配の方などです。若しくは、二日酔いや怪我をした方、生理中の女性なども使い方によっては効果を感じ易いかと思います。
◆CBDの副作用は?
CBDの副作用は極めて小さいと言われています。しかし、多少なりともドライマウス、下痢、食欲減退、眠気、疲労などの副作用を引き起こす可能性があります。また、他の薬と相互作用する場合があるので注意が必要です。その他にも、CBDは植物性であることから稀にアレルギー反応が現れる場合もあります。
◆CBDは合法?
日本の大麻取締法では大麻は禁止されていることから、CBDが違法なのではないかと思われるかもしれませんが、日本の法律では合法です(2023年9月現在)
海外でも同様に殆ど全ての国で合法となっていますが、いくつかの国では規制がされている様です。
CBDは合法ですが、厚生労働省麻薬取締部や税関などから正式に許可を得て輸入する必要があります。それには成分分析表・製造工程表などを提出する必要があります。逆に言えば、厚生労働省麻薬取締部や税関などから正式に許可を得ていないCBD原料や製品は密輸品と言うことになります。
以下の文章は、厚生労働省麻薬取締部のホームページから引用した文章です。
大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたCBD(カンナビジオール)を含有する製品については、大麻取締法上の「大麻」に該当しませんが、当該製品を輸入する前に、麻薬取締部においてその該否を確認しております。
◆CBDの摂取方法は?
CBDの摂取方法には、様々な方法があります。
◉舌下にオイルを垂らす
◉熱で気化したものを吸引する
◉食べる、又は飲む
◉オイルやクリームとして肌に塗る
各摂取方法におけるバイオアベイラビリティ(生体利用率)に関していうと、基本的には気化して吸引するのが最も高く、さらに即効性も高いとされています。その次に舌下粘膜、皮膚の吸収などがきます。
しかし、それぞれにメリットとデメリットがあるので注意が必要です。
例えばバームなどを皮膚に塗る場合全身に対する利用率としては低いですが、皮膚などの患部をターゲットとするのであれば最も効果の高い方法となります。またベイプなどでの肺からの吸収は効果を得るには良くても、肺などに負担がかかり老人や子供が利用するには相応しくありません。ですので、使用する人はシーンやお好み、ターゲットなどに合わせて選ぶと良いでしょう。
◆CBDの入手方法は?
CBDはまだ日本ではあまり馴染みがないかと思います。最近東京ではCBDの販売店や飲食店が非常に増えてきてはおりますが、基本的にはインターネットの通販などになります。
価格としては若干高いと感じる方が多いかもしれませんが、価格にばらつきがあるので相場を良く調べてから購入しましょう。ちなみに、安い製品の中にはCBDの含有量が非常に少なかったりするものもあるので購入の際は注意が必要です。
薬局や大手のスーパーマーケット、デパートなどでもCBD製品は販売されていますが、粗悪品が多いのが現状です。
◆CBD製品の種類
◉フルスペクトラム→カンナビスに含まれる全てのカンナビノイドやテルペン、フラボノイドなどを含む
◉ブロードスペクトラム→THC以外のカンナビスに含まれる全てのカンナビノイドやテルペン、フラボノイドなどを含む
◉アイソレート→CBDのみを含む
CBDにはいくつかの種類があります。
日本にあるCBDは海外から輸入された原料が使用されている、若しくは海外で製品化され輸入されたものになりますが、その際にフルスペクトラムという種類のCBDを選ぶ際には注意が必要です。なぜなら、フルスペクトラムのCBD製品には、日本では違法であるTHCが含まれているからです。現に、日本で販売されているフルスペクトラムのCBD製品からTHCが検出されて回収命令が出された業者様もいくつか存在します。
◆まとめ
◉CBDはTHCと並んで大麻に含まれる代表的なカンナビノイド
◉インディカ種のカンナビスに多く含まれる
◉陶酔作用(ヘッドハイ)はない
◉副作用は非常に少ない
◉医療効果が注目されている
◉オイルやベイプリキッド、エディブル、化粧品などとして摂取可能
◉日本でも所持・使用が認められている
◉オンラインや店舗で購入可能